絵画の紐について

野暮用で急遽絵を吊り下げる専用の紐を入手せんなければならなくなったのですが、僕は今まで絵を恒久的に展示する機会というものがなかったので、絵を吊り下げる紐もホームセンターで買ったものとかワイヤーで済ませていました。で、絵画専用の紐と言われて「???」とつい思ってしまい、「これはヤバい・・・」と感じながら急いで画材屋やらネットやらで紐に関する情報を仕入れたわけです。

 それで、調べてみると一口に絵画用の紐と言っても様々な種類があり、強度もピンキリであることが分かりました。まず、ホームセンターで売っている様な綿の紐よりも化学繊維の方が強度があり、長期間の展示にも耐えうるということ。化学繊維にはクレモナ、ケブラー、ナイロン、アクリル、パイレンなどの種類があり、中でもケブラーは防弾チョッキの素材に使われるほどの強度を誇り、かなり頑丈とのこと。

 然しながら、画材屋に行っても場所によってはこうした紐の種類を取り揃えているところは意外に少なく、探すのは結構な手間が掛かります。ようやく見つけても、キチンとした耐荷重量を記載していない場合もあって少々心配になってしまいますね。

 ただ、ネット通販では結構こういった商品が出回っていることが多く、耐荷重量や用途もしっかり記載されているものが多いので、手早く確実に入手する場合はネットを利用した方が良いかもしれません。

 あと、これは個人的な感想ですが、画材屋よりも額の専門店の方が吊り紐は入手しやすいかと思います。また、そこまで専門的にならなくても、最近のホームセンターには(これも場所にもよりますが)結構な種類の紐を取り揃えており、中にはビックリするような耐荷重量を記載しているものも多いので、そういった場所で手に入れるのが一番手っ取り早いのかもしれませんね。

 

 吊り紐にしろワイヤーにしろ、摩擦や疲労によっていずれは劣化していくものですから定期的な点検を施す必要があることには変わりありません。が、せっかくの作品ですから大事に扱うに越したことはありませんよね。その為には吊り紐一つと言えどしっかりとしたものを用意する心構えくらいは必要かと思います。

 

・・・という大事なことを今更ながら気づく作者でした。

画像は大阪にある笹部画材さんで入手したクレモナ紐。一般的な絵画用の吊り紐です。ビニロン素材で強度的にも安心。