今も昔も無い

 月日が流れるものは早いもので、このHPが開設されてからもう2年が経過しました。ブログも不定期更新&超スローペースなもので、見てくださっている方がいるかどうかは分からないですが、わざわざ見にきて下さる方がいれば、お礼申し上げます。これからもこんな感じの更新になると思いますが、それでも宜しければゆっくりとしていって下さい。

 

 さて、アートムーブコンクール展も無事終了し、また制作へと没頭する日々が始まるわけですが、そんなちょっとした息抜きに先日国立国際美術館で『森村泰昌~自画像の美術史~「私」と「わたし」が出会うとき』を鑑賞致しました。

 森村泰昌さんといえば、歴史上の有名な絵画の登場人物に扮してセルフポートレイトを撮影し、それを作品化するという手法で有名な美術家さんですが、今回の展覧会はその森村さんの原点とも言える作品から近作のものまで出品されていて、これまでの森村さんの創作活動が丸々堪能出来るような感じになっています。

 森村さんの作品に対する見解というのは様々なものがあると思うのですが、僕は個人的に美術史の登場人物に「なりきる」手法が作品を間近に見てみて「凄いな」と思える部分でした。例えば、今回パンフレットなどにも一面に載っているゴッホの自画像に扮した作品はその平面的に塗りたくられた絵具の質感が見事に再現されていて、技術的な面からしても森村作品の凄さが分かると思います。それはまあ、よくよく見れば目の部分が違うなとか、ゴッホのオリジナルと見比べてみればその違いっていうのははっきりと分かるのでしょうが、作品を見ていると森村さんの顔のクセみたいなものも一つの「味」みたいに思えてくるので、そういう部分も含めて森村作品の魅力といえるのではないでしょうか。

 森村さんはこのような形態の作品を作られてから30年近く経つのですが、良い作品というのは、古さとか新しさとか関係なく楽しめるものなんだな、と改めて実感しました。