作品分布論

 二週間ぶりの投稿となります。新年に入りまして様々なニュースが飛び交っていますが、僕の生活自体は何ら変わることなく、相変わらずの日々を送っております。新年に入ってから新作をバタバタと鋭意制作中ですので、お見せする機会がありましたらまたその都度ご報告いたしたいと思います。

 さて、本日は大寒でして、こう寒くなってくると外に出るのも億劫になってきて美術館やギャラリ-などにもあまり足を運べていないのが現状です。そこで、今回はそんな「作品を観る場所」について少し考えてみましょう。

 

 私たちが普段、絵画であれ彫刻作品であれ「芸術作品」と呼ばれるものをじっくりと見れる場所は美術館であったり、町の中の画廊、ギャラリーだったりします。これはまあ一般的な常識であり、何十年も前から変わらないことです。ただ、作品を観れる環境はそれらだけに留まったものではありません。例えば、特に芸術というものを意識していない時でも、私たちは日常的に作品とすれ違っています。公園の銅像、旅行先に泊まったホテルに何気なく飾っている絵… これらは普段私たちが芸術鑑賞を目的としない場合にも触れあうことが出来ます。ホテルの場合はともかく、公共的な場所に設置されている作品を一般にパブリックアートと言いますが、今回はこれを主体に据えた話ではありません。パブリックアートというとそれだけで壮大なイメージがあり、実際に作品が設置される場所自体もそれなりの空間があるのですが、芸術鑑賞という枠に限れば、アートの一領域に過ぎないのです。こういう書き方をすると僕がパブリックアートに偏見を持っているように思われるかもしれませんが、そんなことはありません。作品によっては広大な空間の方が適することもあれば、茶室の様に極小の空間の方が適するものもあるということを言いたいのです。

 少し脱線しましたが話を続けます。近年、国際的なトリエンナーレやビエンナーレ、アートフェアの台頭により、作品を観る空間は確実に拡大しています。森林の中や田んぼ、山の頂や海辺にも現代アートの作品が恒久的・一時的に限らず設置され、また古民家やお寺が設置場所として活用されることもあります。もはや作品が設置できない場所は無いとも言い切れますが、はてさて、まだ作品が展示できない場所ってあるのでしょうか?ちなみに海底には既にあるんですよ。ジェイソン・デカイレス・テイラーというアーティストの方が海底にリアルな彫像を設置した作品群があるんですけど、個人的にはもの凄く好きなタイプなので気になった方は是非検索してみて下さい。

 あとあるとすれば砂漠のど真ん中とか宇宙空間とかになるのかなぁ…流石に人が来れないような場所に設置は出来ないと思うけど、砂漠ぐらいだったらもう誰かがやっていそうな気はしますね。

 

 何が言いたかったのかというと、とにかくそれぐらい作品が設置される環境は多様化しているということです。今回はこれまでですが、この問題は結構展開出来る話題なので、次回以降も続けていきます。

 では、また。