恒久的絵画

12月に入り、益々寒さが厳しくなりました。前回投稿させていただいた話の続きになります。


 僕は以前、画材屋で買って来たキャンバスにそのままぶっつけで下書きをトレースして絵具を塗りたくって… という様なやり方で絵を描いていました。画題やテーマによってはその様なやり方が寧ろプラスになることもあるのですが、統一的な画面を描き出す場合には不利に働くことがあります。

 

 キャンバスは麻布の目があるので、それがかえって絵具を塗り付けるときの描きにくさに繋がってしまうことがあるのです。均一に絵具を塗ったつもりでもムラが出来てしまったり、そこを補おうと描き足しても今度はその部分だけが強く浮き出てしまったり…


 そういった事態に陥らない為に、下塗りというものがあるのです(この段階を地塗りということもあります)。僕も初めてキャンバスに絵を描いた時は、「絵の具が伸びにくいなぁ」と思っていたのですが、この下塗りを施すことによってある程度の不快感は解消されました。で、この下塗りに使う素材ですが僕はジェッソを使っています。ジェッソはその上にアクリルだけでなく油絵具を乗せることも出来るので使い勝手が良く、重宝しています。メーカーによって性質は微妙に異なっておりますが、ベースはそこまで差はありません。ジェッソのほかに、ファンデーションという名称のものがありますが、これは油絵具専用の下地になります。僕はあまり使ったことが無いのですが、油絵具を使う場合はジェッソよりも優れた下地になるらしいです。ジェッソの上に油絵具は乗せられるのですが、経年劣化がファンデーションよりも早いらしいので。恒久的な絵画を目指す場合にはファンデーションを用いた方が良いということでしょう。


 で、ジェッソの話に戻りますが、ジェッソにも色々種類があって、粒子の細かいもの、荒いもの、また基本的には白色ベースですが黒や他の色のものも種類が多く売り出されています。どういった種類のものが良いかは、適宜自分の描く画題やテーマによって選んでいくしかありません。

 ジェッソの塗り方は、原液のまま刷毛で塗るか少し水で薄めてから塗るか。水で薄める場合や、木の板にジェッソを塗る場合は2、3回重ねて塗った方が良さそうです。個人的な感想だと、原液のままでも1度塗りではムラが結構出てしまうので、最低でも2回ぐらい塗った方が良いんじゃないかと思っています。


 ジェッソを塗って、基本的な下地は完成です。次回以降は下地材でなく、絵具について考えてみたいと思います。