りある・ぺいんてぃんぐ

お久しぶりです。約半月ぶりの更新となります。今回は前回の話の続きである、絵画における「実在の対象」について少し考えてみたいと思います。

 実在の対象とは、一般的に言えばこの世に存在する概念や物質のことを示します。然し、ここで頭に浮かぶのは、この世に「実在しない」対象があるのかということです。例えば宇宙人や怪物、妖怪などの、「実際に存在するかどうか分からないけど、周知の存在であるもの」は実在の対象と言えるでしょうか?これは、個人的な見解ですがその存在に関する情報や噂の出自が不明であっても、社会的、或は文化的に広く知れ渡り、長い年月を超えて受け継がれたコンテンツというものは、それ自身が実在であろうがなかろうが「実在の対象」になりえると思います。実在していないのに実在の対象になる、というのは矛盾した考えだと思われるでしょうが、人々の知的好奇心によって要請された対象というものは、その好奇心によって一時的に形を成すものとなり、「実在の対象」に変化するのです。具体的な例としては幽霊画がそれにあたります。人々の間で語り継がれてきた伝承や噂を元にして実体、形あるものとして描き、そのイメージが現代においてもなお、息づいていることが証拠です。「ろくろ首といえばこんなイメージ」だとか、「河童といえばこんな感じ」といった様に、その存在について問われて、パッとイメージが想像できてしまえば、それはもう実像であると言えるでしょう。

 更には、現代に息づくキャラクターについても、同じようなことが言えると思います。ミッキーマウスやスヌーピー、ミッフィーなどの空想上のキャラクターも、それ自身が多くの人々に愛され、ぬいぐるみやストラップにグッズ化されてしまえば、偶像化されたも同じなので、実在となりえるのです。創作物に著作権がつくのも、キャラクターそのものに実像があることを体現しているような気がします。

 こうして思うのは、「空想すらも実在の対象になり得るのなら、実在しない対象なんて無いんじゃないの?」ということです。今までの話を総括すると、そういうことになってしまうのですが、対象というからには指定されたものに限るので、まだこの世に生まれてすらいない概念やイメージこそが、実像を持たない対象、無の対象と言えるのではないでしょうか。

 簡単にまとめると、実在の対象というのは既出の存在、指定できる存在であり、無の対象がその逆、ということになるでしょうか…

 ただ、この領域についてはまだまだ考えてみる余地がありそうです。


余談

久々にキャンバスに絵を描いてみました…まだ途中経過ですが。

…下手になっとる!やっぱり普段から手を動かさんとダメですね。